■ 2006.2.9 Thu.
 2時から9時、オペラの稽古。合唱を担当するオペラシンガーズが次第に実力を発揮している。新聞でイギリスのバレリーナ、モイラ・シアラーが亡くなったと知った。1948年のバレエ映画「赤い靴」が日本に入ってきた時、音楽学校の学生だった諸井 誠と私は有楽町の映画館へそれを見に行った。美しいバレリーナ、モイラ・シアラーとイースデールという人の音楽に興奮して2人で熱を込めて話しながら長い時間、お堀端を歩き続けた記憶がある。その映画にはレオニード・マシーンやロバート・ヘルプマンも出演していた。

■ 2006.2.10 Fri
 今日もオペラの稽古が2時〜9時。もう時間が無い、と思っている人とそうではない人との差がはっきりしてきた。その差を埋めるにはどうすればよいか。ぼんやりしている奴の目を覚ますには何をしたらいいのか。

■ 2006.2.11 Sat
 6時からオペラの稽古。今日で東京での稽古が終った。さあ、もう限られた時間しかない。しかも、やらなければならないことが山ほどある。ごく楽観的に言えば、いよいよオペラらしくなってきたと言う所だが、実際はそんな余裕は無い。ひとりひとりが出来ることを全部やっても間に合うかどうか、気が許せない。戦時下最大の言論弾圧事件「横浜事件」で、治安維持法違反で有罪が確定していた人たちに対する再審の判決公判、裁判長は裁判手続きを打ち切る「免訴」を言い渡した。理由はともあれ、こうして歴史上の事実を次々に、様々な理由を付けて、無かったことにしてしまうのは間違いではないか。事実を事実として認める努力が、どんな苦しみを伴っても必要ではないか。

■ 2006.2.12 Sun.
 午後、まるで外国旅行に出かけるような大荷物を持って横浜へ。今日から稽古が横浜へ移るから横浜暮らしになる。6時から神奈川フィルの練習所でもあるアートホールで稽古。初めて本舞台と同じ寸法の装置を使って稽古。みんな、いろいろな戸惑いを隠せない。

■ 2006.2.13 Mon.
 1時から神奈川フィルハーモニー管弦楽団との練習。いろいろな都合で変則な時間割にしてもらって50分を3コマ、4時に終る。6時からは仮設舞台を動かしながら歌い手たち、合唱団、子どもたち全員の稽古。ホテル近くまで戻ってきてから栗田博文さん、関谷弘志さんに家内も加わって4人で食事。小さな店だが美味しいワインがあった。1945年の今日ドレスデンがアメリカ軍の爆撃で徹底的に破壊された。軍事基地は無い歴史的な美しい街であった。ナチス・ドイツの降伏は5月初旬。ヒロシマ・ナガサキに原子爆弾を投下したのもアメリカ軍。日本の降伏はその数日後。「悪の枢軸を徹底的に攻撃する」と言いつづけているアメリカという強大な軍事国家の明確な主張であろう。「悪の息の根を止める」為には女性や子供や老人など弱いものを多数犠牲にすることも仕方が無い、或いは当然であるとの意見。力が正義、ということであろう。イラクでのことも同じ。いつまで、こんなことが繰り返されるのか。

■ 2006.2.14 Tue.
 6時からピアノで通し稽古。無理やり通したという感じで、ゆとりは無い。少しずつ積み重ねが身を結んでいる部分も見えてきているから、それを全部繋げたい。家内からのバレンタインプレゼントは栗田さん、関谷さんと私にチョコレート、私にはその他に特別中の特別、手作りの履きやすく、とても気持ちの良い布ぞうり!!これは本当に履き心地が良いので、もう早速履き続けている。

■ 2006.2.15 Wed.
 1時から神奈川フィルの練習。6時からは歌い手さんたちも踊り手、子どもたちも全員集合して稽古。