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■ 2004.3.8 Mon. 8時、定期健診。お昼過ぎの新幹線で大阪へ。用事を済ませて夕方の新幹線で帰京。 |
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■ 2004.3.9 Tue. 10時半、渋谷で名古屋市文化振興事業団の作曲コンクールの審査。20年来、三善 晃、池辺晋一郎両氏と私の3人、変らぬメンバーである。「有事7法案を閣議決定」というのが夕刊の見出し。例えば「知事は業者に医薬品や食品の保管を命令、売り渡しを要請、理由無く拒否すれば収用」とか「知事は避難住民の収容施設や医療施設開設のため同意を得て土地、家屋を使用、理由無く拒否した場合は同意なく使用」「食品などの保管命令、交通規制や立ち入り制限に従わなかった者には罰則」などが要旨のポイントであるという解説を読んだ。「公益」と「私権」のバランスをどう保つかは難しい問題に違いないが、私のような年代の者は、戦争中の強制疎開による個人の住宅の取り壊しや、軍隊が宿舎に使用するための個人住宅の強制収用などの苦い思い出がまざまざとよみがえる。人権の尊重を掲げても「非常時」の「国益」のためには個人の権利が制限されても致し方ないだろう、と既に内閣官房長官が発言している。そして、この「非常事態」の中にはアメリカ軍の作戦に無条件に協力することも含まれていると明記される。このようなことを書き綴っている人間は「非国民」と罵られる日がすぐ来るだろう。恐ろしい。全ての都道府県と市町村単位で「国民保護協議会」が作られ、それは首長を「会長」とし、「関係機関の代表者など」から構成されるというが、防犯協会や町会などの住民組織やボランティアもこの「協議会」の構成員として予定されていると聞くと、これは戦争中の「隣組」の再現であり、見事な統制機関であると考えざるを得ない。「共謀罪」というものが論議されていて、共謀罪を立証する最大の決め手は会話の録音テープになるから、犯罪組織とはなんの関係も無い団体に対しても盗聴が頻繁に行われるようになるだろう、という予想があるし、その「共謀」というのは会議などで決めたというような場合でなく、具体的な事実でなくとも、それらしい話をしただけで「共謀」とされてしまうという。「犯罪の共謀だけで処罰するというのは『行為は処罰するが、意思は処罰しない』というフランス革命以後の刑法の大原則(行為罰法)の重大な変更だ。もし意思を処罰するとなれば、内心の自由と言論の自由を脅かすことになる」という発言もある。こうやって「国民総動員」のような形に囲い込まれそうになっている状況を私はもっとはっきり見て、はっきりと意識している必要がある。広島の高橋昭博さんが素晴しい牡蠣をたくさん送ってくださった。酢牡蠣とチャウダーを贅沢に楽しむ。 |
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■ 2004.3.10 Wed. 6時から第2回仙台国際音楽コンクールの運営委員会。たっぷり2時間を費やしたが、第1回の経験があるから細部にそれほど問題はない。しかし国際コンクールというものは時々刻々に状況が変化するから油断は禁物である。今日は東京大空襲の記念日、未だに遺骨も遺品も無い犠牲者も少なくない。こんな日の新聞に4月29日を「昭和の日」にしそうだという記事を見つけた。昭和の何を記念するのだろうか。昭和6年に生まれた我々は、その年の9月に始まった「戦争」が15年間続いたのである。20世紀は戦争の世紀だったが21世紀は新しい歴史を作りたいと望んだ世界中のたくさんの人たちの願いが、空しく消されそうになっている今、「昭和」の、一体何を記念するのか。 |
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■ 2004.3.11 Thu. 朝、眼科の検診、そこで担当の谷野先生が今月いっぱいで病院をお辞めになると伺った。ショックである。昨年、手術をしていただいた時にも、勿論谷野先生の素晴しさ、見事さを感じていたが、その後、何人も白内障の手術を受けた人に出会ってみると、必ずしも成功する例ばかりではなくて、寧ろ私のように手術直後から手術していただいてよかった、世の中が明るくなったと感じられて、どこにも何の違和感もない例は多くないと思えてきた。本当に素晴しいお医者様にめぐり合ったのである。稀有な幸運、とはこういうことであろうと思う。もし谷野先生が今後もどこかで診療を続けられるのなら、そこにうかがいたいと思う。夜7時、池袋の芸術劇場地下のリハーサル室で石井啓一郎さんなど日本フィルの人たちの弦楽四重奏団と私のピアノ、それに家内を加えてショーソン「終りなき歌」の練習。短い静かな曲だが、繊細微妙で難しい。弦楽四重奏の人たちが辛抱強く何度も繰り返して練習してくださった。 |
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■ 2004.3.12 Fri. 午後の新幹線で仙台へ。5時から仙台フィル事務局で梅田俊明さんも出席して会議。色々な事が話し合われたが、私が特に気になっているのは演奏現場で働いてくれている事務局の人たちの仕事量が余りに膨大で、その上、休息する時間が余りに少ないことである。特に昨年の半ばごろからみんなが疲れ果てているように見えることが多くなっていて心配である。交通手段を改善するとか、休暇の時間を確保するとか、何か具体策を早急に考える必要がある。 |
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■ 2004.3.13 Sat. 3時半から梅田俊明さん指揮、仙台フィルの練習を聴く。ビゼー=シチェドリンの「カルメン」は打楽器群と弦楽合奏で45分かかる大作だが、これを演奏するためにはビゼーのオペラ「カルメン」を熟知している必要がある。そうでないと平板に、たださらさらと流れるだけになってしまう。音楽会は7時開演、シチェドリンの後でブリテンとエルガーの弦楽合奏曲も演奏されたが、どれも熱のこもった力演であった。 |
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■ 2004.3.14 Sun. お昼、鈴木信男先生ご夫妻にお招きを受けてお宅にお邪魔する。仁科雄一郎さんご夫妻もいらして、いろいろ美味しいものを頂戴しながら楽しいお喋り。夕方、家内とぶらぶら町を歩いて小さな買い物をする。夕食後、家内の背中が余りに凝っているのでマッサージを頼んだら、とても上手な人が来てくれてすっかり楽になったという。自分が肩凝りなど感じない性質なので実は苦しさをちゃんと実感できないのだが、家内は日頃重い荷物の持ち運びを全部引き受け、その上コンピューターも全部一人で引き受けているから、きっとそのせいだろう。申し訳ないことである。 |
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