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■ 2003.6.21 Sat. 有事法制が成立してしまっている。現在でも都合の悪いことは「そんなこと知ってどうするんです、何にもならないでしょ」などと言う内閣の公式記者会見があるのだから、戦時態勢となればどんなことになるか容易に想像がつく。戦時下では総てが軍事優先であり軍隊は住民を守らないと自衛隊の幹部も明言している。現在の日本に「有事」が起こる可能性はほとんど無く、アメリカ軍の作戦に加担する為だけの法律であることは明白、とはたくさんの人たちの共通した意見である。その為に私たち民間人の基本的な権利も、あらゆる自由も奪われる。挙句の果てに子どもたち、若者たちを戦場に送り出すことになる。私はどんな理由があろうと戦争には決して賛成できないこと、反対であることを言い続けたい。 |
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■ 2003.6.22 Sun. メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」と言っていたものが実は夏至(夏至祭)の夜のことであったと知って私たちは「夏の夜の夢」と言い換えたが、今日はその夏至だから各地でライトアップしている建物を時間を限って消灯するという。ドイツの友人たちは夕方、相当薄暗くなっても中々室内の明かりを灯けないし、自分が使っていない部屋の明かりは消す。それを真似て私も部屋を出るときは必ず消灯するように心がけているが、空から見た世界で日本は特に一晩中明るいのだと聞くと、ネオンサインや各種のライトアップ、自動販売機などは大幅に減らして都会でも星が見えるような夜空にできないものか、と考えてしまう。地球温暖化防止もエネルギー節約も世界の常識、消費は美徳などという迷信とはっきり絶縁すべきだろう。 |
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■ 2003.6.23 Mon. 今日は沖縄の組織的な戦闘が終ったとされる日、58年目の慰霊の日。テレビで話をされたご婦人が二人とも当時14歳、私と同年であるが、そのお話の中ではあの戦争はまだ終っていない。私もあの戦争を過去の出来事と思えないで居る。それは思想でも主張でもない実感としてである。戦争の影は私の中に色濃く残っているし、帰ってこなかった優しい親類を忘れられずに居る。 Wer im Gedaechtnis seiner Lieben lebt, Ist ja nicht tot, er ist nur fern! Tot nur ist, wer vergessen wird. 愛する人たちの記憶に留まる者は決して死んだのではない ただ、少し遠くへ行っただけである 死は、忘れられた者に訪れる 私は戦争を憎む。 |
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■ 2003.6.24 Tue. 11時、日本フィルハーモニー交響楽団の事務所で来年3月の演奏会の打合せ。調性、目立たない楽器(縁の下の力持ち)、コンサートマスターの役割、……など、いろいろやりたいことはあるが、それをひとつの演奏会として成立させるにはどうすればよいか、ゆっくり時間をかけて考えましょう、ということになる。 |
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■ 2003.6.25 Wed. 夕べから申 秀貞さん、林 元植先生の奥様、朴 恩聖氏などと電話で話し合っていたが、今朝、朴 恩聖氏からの電話で9月5日、ソウルでの林 元植先生の追悼演奏会で夏田鐘甲さんの“前奏曲「巴」”を私が指揮して演奏することを決めた、と知らせてくださった。申 秀貞さんにも、林先生の奥様にも、夏田さんにも早速お知らせした。とても嬉しい。素晴らしい。林先生と夏田さんの長い年月に亘る特別な友情はたくさんの人が知っているし、この作品を林先生は特にお好きで、外国でも度々指揮なさったと聞く。作品そのものも力に溢れ、美しい歌に満ちた傑作である。本当に嬉しい。1時、東京駅のステーション・ホテルで仙台国際音楽コンクールについての雑誌のインタヴューを受ける。その後新幹線で仙台へ。4時半〜6時半「オーケストラと遊んじゃおう」の会議。東京は朝の雨があがって、もう晴れかかっていたのに仙台は土砂降りの雨。新幹線で帰京。 |
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■ 2003.6.26 Thu. お昼の新幹線で大阪へ、用事を済ませて名古屋へ戻る。7時、「中国会」。半年に1度の筈が昨年暮れは時間の余裕が無くて集まれなかったので1年ぶりである。中京テレビが名古屋フィルの番組を始めてくださった年からもう20年経つそうで、若さいっぱい、いわば怖いもの知らずの勢いに溢れていた人たちが今は会社の最重要の中枢だし、やんちゃな若者たちと思っていた名古屋フィルの人たちも現在は温厚なおじさんの一面がある。時の流れはやたらに速い。いつものように楽しくおしゃべり。 |
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■ 2003.6.27 Fri. 午後、県芸のオーケストラの練習を見に行く。明日の演奏会に向けての練習最終日、指揮は関谷弘志さん。チャイコフスキー「4番」、モーツァルト「パリ」と二つの素晴らしい交響曲、「ドン・ジョヴァンニ」序曲。私だったら震え上がるような曲目を楽しそうにこなしているのは指揮者もオーケストラも若いからだろうか。しかも、テンポが全部速すぎるのが気になるが、私はいつも自分の趣味や考えを人に押し付けたくないと考えているので控え目に感想を述べた。家内の母が珍しく風邪をこじらせて熱をだして寝込んでいる。両親の家へ行って家内が夕食を作ったが、母も幸いに食欲はあって4人でテーブルを囲んだ。 |
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■ 2003.6.28 Sat. 朝10時、スポーツ・カーのようなタイプの車で迎えに来てくださって豊川へ。11時半から会場で最後の練習。会場の音響は悪くない。音楽会は3時開演、はっきりしないお天気なのに、たくさんのお客様が来てくださる。学生諸君、関谷さんの大熱演にブラヴォーやたくさんの拍手を頂く。めでたいことだが、少々先を歩いている先輩として言えば気になることもある。舞台での立居振舞を特に指揮者やコンサートマスターは冷静に客観的に自分を観察する必要がある。私は音楽家関谷弘志を信用しているし、信頼したいが、今日のチャイコフスキーの第4楽章の速度はいくらなんでも速すぎる。誰のために、何のためにこんなことをしたいのか見当もつかぬ。オーケストラはそれによく耐えた。アンコールで演奏された童謡をオーケストラ用に編曲したもの、これがお話にもならぬ酷い代物。アイディア貧困、和声も貧しい、下品、いいところなし。終演後、私はオーケストラの音楽上の責任者として、この楽譜の破棄を指示した。このようなものを2度と演奏してはならぬ。今日の音楽会は「残念」の集積。 |
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■ 2003.6.29 Sun 今日は好い天気、母は何故かまだ平熱にならない。家内が食事を作り続けている。 |
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