■ 2003.4.23 Wed.
 新幹線で仙台へ、今日は外山雄三プロデュース「室内楽のたのしみ」という名前のシリーズの第1回。1年2回で少なくとも3年連続にしたいと考えているが、どこまで頑張れるか。2時半過ぎにエル・パーク仙台、スタジオホールに行くと西江辰郎さん、小川有紀子さん、佐々木真史さん、原田哲男さんの弦楽四重奏の練習が始まるところだった。放送局のスタジオのように残響が全く無いホール、客席は傾斜が急な階段教室のおもむき、180人くらいでいっぱいだろうか。弦楽四重奏は神経の研ぎ澄まされた見事な合奏、コントラバスの村上満志さんが加わった五重奏も興味深い。6時30分開演。第1回で皆さんにこの音楽会のことを充分お知らせすることができなかったのに、ほぼ満員のお客様においでいただいた。今日は小雨模様でやや蒸し暑いが公立ホールではこの時期に冷房は入らない。ベートーヴェンの「セリオーソ」を終ったら4人とも汗びっしょり。ラヴェルで更に熱気が溢れて、お客様も暑そうで申し訳ない。休憩後のドヴォルザーク「弦楽五重奏曲第2番」も円熟した村上さんが加わって更に熱っぽくなった。たくさんの方のお助けをいただいてシリーズをともかく無事に出発させることができた。何もかも準備して雑用も引き受けてくれた仙台フィル事務局の皆さんにも感謝。

■ 2003.4.24 Thu.
 仙台から新幹線を乗り継いで京都へ。知恩院で18日から行われている法然上人の逮夜法要に参列。2011年の法然上人800年忌に新しい音楽作品を創れないか、というお申し出によるものだが、知恩院に伺ったのも初めて、このように大規模で荘厳な法要に参列したのも初めて、その儀式の重厚華麗なこと、これはキリスト教でいえば「ミサ・ソレムニス」だろうかと思った。お坊様方の読経も実に音楽的なもので感銘を受けた。夕方、名古屋へ。

■ 2003.4.25 Fri.
 今学期初めての愛知県芸、指揮法には今年もたくさんの学生諸君が集まっている。今年の課題はモーツァルト;交響曲第39番 変ホ長調。例年のように1年かかって楽譜の読み方の基本を一緒に勉強する。昼食休憩の時間にオーケストラ部会、今年から県芸オーケストラの歴史で初めての女性の部長、岡山芳子さん、見事な議事進行ぶりである。1時から私としては初めてオーケストラと対面、プロコフィエフ「5番」がともかく通して演奏できるオーケストラになっていることは素晴らしい。間宮芳生「オーケストラのための2つのタブロー _65」も一応こなしている。寧ろモーツァルト「25番」が苦しい。後半を関谷弘志さんに託して新幹線を乗り継いで仙台へ。

■ 2003.4.26 Sat.
 11時半からメディアテークで仙台フィルの練習。梅田俊明さんと1時間。昼食は近所の美味しいピッツァ屋さんに連れて行ってもらった。2時から仙台フィル定期会員や友の会会員になっていただこうと、いわばそのキャンペーンの為の演奏。爽やかなお天気のせいか、広場に椅子を並べただけのような場所にたくさんの方が集まってくださる。梅田さんが「フィガロ」の序曲とモーツァルト「40番」の第1楽章、私がベートーヴェン「5番」の第1楽章、それに短いアンコールを2曲。楽器も楽譜も移動して5時半からはプラザ・ホテルで仙台フィルハーモニー管弦楽団賛助会員の方々への「感謝の集い」。昼間と同じ曲目の演奏を聴いていただいた後で、ささやかな懇親パーティー。日頃から私たちをご支援くださる方たちが大勢いらしてくださった。ありがたいことである。

■ 2003.4.27 Sun.
 お昼の新幹線で帰京。6時、新宿の小さなレストランでN響の首席ファゴット奏者だった故三田平八郎さんのお弟子さんたちの会「三田会」、その仲間に入れていただいて出席。三田さんの奥様もご出席で既に現役を退いた先輩たちから孫弟子にあたる若者たちまでファゴット奏者ばかり30人ちかくでワインを飲みながら話に花が咲いた。三田さんは私の在学中の作品を初演してくださった方だし、指揮し始めたばかりの頃から私に数え切れないほどたくさんのことを教えてくださった方、N響に客演する外国の名指揮者たちに最も信頼された音楽家でもあった。

■ 2003.4.28 Mon.
 日本の指揮者の中で桐朋学園の場所も知らない人間は多くないだろうが、私は今日まで一度もそこに行ったことがなかった。3時、その桐朋学園の一室で梅田俊明さんと、ある若い指揮者の指揮ぶりを見る。非常に堅実に、まじめに勉強していることがわかるが、そこに更にいろいろなものが加わらなければ指揮者としての活動を始めても苦労ばかりが多いだろう。彼自身もそれを望むなら、仙台フィルハーモニー管弦楽団はそろそろ「指揮者を育てる」ことを考えるべき時がきたかもしれない。

■ 2003.4.29 Tue.
 お昼、新幹線で大阪へ。用事を済ませてから名古屋へ。快晴の休日なのにどの町にも活気が乏しいように見えるのは私が盛り場を歩かないからだろうか。

■ 2003.4.30 Wed.
 明日、大腸の検査。今日は朝から、その検査食という妙なものだけを食べ、挙句の果てに数種類の下剤を飲む。要するに一日がかりで大量の水分を体に流し込むような印象である。こんな不愉快な思いをしなければ成立しない検査は、どうしても必要なのだろうか、と家内とぼやき続ける。

■ 2003.5.1 Thu.
 昨日は1日ぐずぐずと雨模様だったのに、今日はウソのような快晴。12時、大腸の検査。胃カメラに比べると私には何でもないように楽だったが、家内は昨日からの頭痛もあって完全にのびてしまった。それでも健気に検査を受けたのは凄い。つらそうなのを見かねてお医者様が検査を短めにしてくださったらしいが、実は低血糖だったとのこと。後で聞くと検査を延ばしましょうかとお医者様が言ってくださった時、あの検査食の一日を再び経験するのはごめんだと思って頑張ったらしい。夕食の時間になっても家内は起きられず、例外的に私は家内の両親と食事するはめになった。

■ 2003.5.2 Fri.
 今日も快晴。1時、県芸オーケストラ、今日はモーツァルトも間宮芳生もじっくり練習。プロコフィエフは第1楽章のみ。4時半ごろから関谷弘志さんに渡して関谷さんのチャイコフスキー「4番」第1楽章の練習に立ち会う。オーケストラにとっても指揮者にとっても難関だらけのものだが健闘している。今夜は家内もどうやら普段の状態に戻った。よかった。