■ 2003.3.19 Wed.
 今朝の新聞で尊敬する映画監督、羽田澄子氏が「広島の原爆で死者10万人、東京大空襲で10万人、戦争は絶対いや。でも私たちはイラクを支持しているんじゃない。私たちの戦争反対をフセインが喜んでいるのはおかしい。人類は難しい所に来てしまった」と語っておられる。我が家で日頃話し合っていたことを見事に言葉にしてくださっているようで感銘した。敗戦の時に中学2年生で東京に住んでいた私は、焼夷弾で焼き尽くされた町で黒焦げの死体の横を通って学校へ行ったりした。現在のアメリカ人たちが戦争とは何なのかを全く知らないのではないかと気になるが、それより私たちの国がアメリカの戦争を支持すると決めたことが心配である。私はどうすればよいのか。

■ 2003.3.20 Thu.
 とうとうアメリカが戦争を始めてしまった。私たちが戦争を止められなかったことをどう考えればよいのか。あたりまえだろ、とも思えるだろうが、私たちはこんなに無力のままでよいのか。何とかしなければならない。1時から杉並公会堂で日本フィルの練習。ドビュッシイ、ラヴェル、マーラー、ディリアスからベートーヴェン、ヴィヴァルディまで盛り沢山。なんだか少し表情が変った日本フィルと練習。

■ 2003.3.21 Fri.
 好い天気、暖かい。イラクが気になって珍しくテレビをずっと見ている。戦後復興を支援する、などと言っても失われた命や傷ついた人々はどうするのか、心に負った深い傷は生涯癒されることはないだろう。どう考えても、どんな理由があろうと戦争には賛成できない。坂本玉明氏と小出信也氏と3人で遊ぶための小品を完成。

■ 2003.3.22 Sat.
 1時から日本フィルと練習2日目。ドビュッシイ「海」やR.シュトラウス「カプリチオ」(月光の音楽)など、私がやりたいことをはっきり指示できるようになってきたこともあってオーケストラは滑らかに練習をこなす。今日は少し寒さが戻っている。戦争がひどくなっているらしい。テレビを見るのがつらい。

■ 2003.3.23 Sun
 11時、サントリーホールで練習。案内役の渡辺 徹さんがいろいろな事情でいきなり今日から参加だが、細やかな心配りと鋭い判断力で爽やかに、軽々と進行してくれる。2時開演、今回はドビュッシイ、R.シュトラウス、レスピーギ、ラヴェルと重厚な作品が揃ったが、お客様は楽しんでくださったようである。あぁ、くたびれたと言いながら息子夫婦とその息子、私たち2人の計5人、田園調布のレストランへ行く。料理長が替わったとかで一段と美味しくなっていて大満足。

■ 2003.3.24 Mon.
 新幹線で名古屋へ。2時、NHK「FMシンフォニーコンサート」のおしゃべりの収録。セントラル愛知交響楽団というものを初めて聴く。明日は胃カメラなので夕食を早めに済ませた。

■ 2003.3.25 Tue.
 8時、ホームドクターの所に到着。ジェリー状の麻酔薬を口に含んだり、注射をされてベッドに横になったり、準備を全部整えていただいたのに何もされない内から私の喉がウッというような反応が激しくて、何度かマウスピースを咥える努力をした後に検査は取り止め。先生はこういう検査は無理してやらないほうがいいですから、などと慰めてくださるが、何とも申し訳なく、情け無い。血糖値、なんと246、ストレスと注射のせいらしい。人間の生理の微妙さを痛感、などと言えば格好良いが、要するに怖がりで過敏症の意気地なし。新幹線で大阪の床屋へ。夕べから降っていた雨はあがって暖かい陽射し、急に本格的な春になった感じで桜の開花も近そう。夕食は家内の両親と4人、ゆっくり楽しんだ。