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■ 2002.9.27 Fri. 新幹線で仙台へ。14時から仙台フィルの練習。プロコフィエフ「ピーターと狼」は楽器編成も小さく、極めて簡潔に書かれた作品だが、それだけに演奏はまるで障害物競走である。どの演奏者も一瞬の油断も許されない。仙台の言葉(アクセント)で語りの部分をやってみていただけないかとお願いしてあったのだが、現在の子どもたちがテレビに慣れすぎて在来の仙台の言葉をほとんど理解できなくなっているという現実があるそうで、残念ながら私たちの勝手な想像どおりにはいかない。大阪フィルと桂 米朝さんでやった時の言うに言えない深い味わいは他の土地では無理なのか、あの味わいは大阪の言葉というだけではなくて米朝さんの芸の力だとはわかっているが、それぞれの土地のそれぞれの言葉が急速に消えていくように見えるのは寂しい。もう1曲は仙台少年少女合唱隊と間宮芳生の「子どもの領分」。これは間宮が東京に現在も生き続けているたくさんのわらべ唄の中から選んだ素材で作曲した魅力いっぱいの名作。子どもたちにとって易しいとはいえないところもあるが、子どもたちの日常のエネルギーを感じるところがたくさんあって楽しい。久しぶりの仙台フィルも元気。 |
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■ 2002.9.28 Sat. 10時半から青年文化センター・コンサートホールで練習。子どもたちはどんどん元気に、のびのびと歌ってくれるようになった。14時開演の音楽会だが第1部は大泉 勉さん指揮、ピアノ伴奏で仙台少年少女合唱隊の演奏、第2部は金野むつ江さんの語りで「ピーターと狼」、第3部が「子どもの領分」。途中でオーケストラに小さな演奏上の事故があって私がそれに気をとられて暫く子どもたちを放りっぱなしにしたのに、子どもたちは見事に歌った。感謝、感謝。 |
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■ 2002.9.29 Sun. 夕方まで自由時間、という珍しい日程なので仙台市内を2人でぶらつく。こんな時間は本当に珍しい。まだ夏の名残のように暑い。19時からモーツァルト「レクイエム」の合唱練習、青年文化センター・コンサートホールへ来るとどのように響くか、少々心配な部分もあったが合唱団皆さんの確信に満ちた演奏はそれを吹き飛ばした。 |
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■ 2002.9.30 Mon. 新幹線を乗り継いで名古屋へ。17時30分から20時30分、県芸35周年記念の特別編成オーケストラの練習。遠くはドイツやアメリカからも駆けつけてくれた卒業生たちや現役の教員たちの隣で学生たちが演奏できるのだから、緊張もするだろうが貴重な体験だろう。当然ながらいつもと違った音がする。今日も暑い。 |
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■ 2002.10.1 Tue. 午後、1年半ぶりの歯医者さんの健康診断、簡単な治療が必要な虫歯が1本見つかる。17時30分からオーケストラの練習に県芸へ。第1期生というのは、この学校にまだオーケストラが生まれていない時代だが25年間シュトゥットガルトの室内合奏団でヴィオラの中心メンバーである人がわざわざ帰国してくれている。何ともいえない存在感が漂って頼もしい。第1ヴァイオリンにはまだ若い卒業生も何人か参加してくれているが美しく充実した音色が良い。管楽器、打楽器はオーケストラが出来たばかりの時の人たちがたくさん来てくれている。当時は元気で熱心な少女たちだったのが、今は美しい女性たちである。当たり前だが時間の経過を改めて知る。 |
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■ 2002.10.2 Wed. 17時30分からオーケストラの練習。北方さんの作品も学生だけで演奏した時とは違った響きになってきた。3人のヨーロッパ出身の客員教授とのベートーヴェン「三重協奏曲」もしっくり落ち着いてきた。ピアニストは間違いない優等生、チェリストは経験豊かで楽天的、ヴァイオリニストは地味な印象だが主張がはっきりしている演奏家、というのが私の勝手な感想。「ウエストサイド物語」は明日の演奏会で熱気を頂点に持っていけるかどうかである。 |
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■ 2002.10.3 Thu. 14時30分から芸術文化センター・コンサートホールで最後の練習。いろいろな音色が聴きわけられるこのホールでの演奏は楽しい。開演前に大きな花束を抱えて学長先生が楽屋に来てくださる。音楽会は18時30分開演、心配していたよりずっとたくさんのお客様が来てくださる。北方作品が盛大な拍手を頂く。うまく育ってくれれば日本作曲界の新しい希望の星であろう。「三重協奏曲」も面白かった。ノルトファルクさんの「亡き子をしのぶ歌」は作品の痛切な悲しみが表現できたかどうか。「ウエストサイド物語」大盛り上がり。アンコールにマンボの部分をもう一度。お客様も演奏者側も充実感を味わったのではないか。終演後のレセプションでは卒業生たちや教員たちもくつろいで大いに語り合った。 |
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■ 2002.10.4 Fri. 大阪の床屋に寄って東京へ戻る。 |
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■ 2002.10.6 Sun. 13時30分から池袋・東京芸術劇場の大リハーサル室で「みんなあつまれ!子どもとオーケストラ実験工房コンサート」」の子どもたちのオーケストラ(ひとつの組はレハール「金と銀」、もうひとつの組はホルスト「惑星」の木星)と合唱の練習、今年で5年連続5回目。いつもながらみんな夢中、それに指導してくれる大人たち(現役のオーケストラ奏者たち)がこまごまと面倒をみているのがほほえましい。短い練習時間なのに子どもたちがどんどん変るのも嬉しい。演奏会当日、大人たちの隣に座って演奏するとまた予想を遥かに越えたことを経験する筈である。司会を担当する頼近美津子さんも覗きに来て下さって面白そうにいろいろ取材しておられる。頼近さんご自身もプロフェッショナルな音楽家といってよい技術や知識をお持ちなのに、それをひけらかすことが決して無く、むしろ、全く何も知らない人たちの代表のような質問や語りかけをなさることにいつも感心する。知的な美女、などと言ったら叱られるだろうか。17時の新幹線で仙台へ、19時の合唱練習にギリギリ間に合う。合唱団はますます好調であるが、演奏会の前2日連続でオーケストラと練習し、演奏会も2夜連続と考えると疲労が心配である。睡眠時間を確保してください、といつものようにおお願いする。 |
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■ 2002.10.7 Mon. 仙台フィルの練習、12時から弦楽器、15時から管、打楽器と別々の練習をする。時々はこういう形も必要だろう。特別なことも無く終ったが、何かがスッキリしたような感じは私だけだろうか。 |
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■ 2002.10.8 Tue. 10時半練習開始、今日から勿論合奏である。ショスタコーヴィチ「6番」はあまり演奏されないが、楽器編成も特に大きくないし、演奏時間も約30分、と彼の交響曲としては簡潔にまとまっている感じのするもの。それだけに第3楽章末尾の華やかな大音響をどう考えるか、どう扱うかが演奏者への重い問いかけかと私は考える。最近出版されたショスタコーヴィチを巡る二つの資料も気になる。16時30分から事務所で「オーケストラと遊んじゃおう」の会議、いろいろなアイディアが飛び交って賑やか。引き続き18時30分から梅田俊明さんと私が入った事務局の会議。練習後、会議が二つ続くのはやはり少々しんどい。 |
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■ 2002.10.9 Wed. 合唱団の都合もあってモーツァルトの練習が夜になるから練習開始は16時。ゆっくり朝食を摂ってから県民会館裏のスタジオで家内と少し練習する。さしあたって何ということはないが私自身も少しずつでもピアノを弾くとボケ防止にもなるか、と理由をつける。16時、今日からコンサートホールでの練習である。小さな要素がはっきり見えて練習が緻密になっていくのが快い。楽員の皆さんも様々な工夫をしながら、のびのびとやっているように見える。7時から独唱、合唱が加わってモーツァルト。バセット・ホルンなどという滅多に登場しない楽器をクラリネット奏者が担当することになるのだが、現代のオーケストラの音高(ピッチ)や音量とのバランスも含めて苦労が多いようである。しかしその独特な音色は味わい深い。 |
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■ 2002.10.10 Thu. 今日はヤマハ、ガラス張りの明るい部屋で気持ちよくピアノを弾いた。16時からショスタコーヴィチ、私どもの若いティンパニストが実に鋭い感性と理解力を持っていて、粗野とぎりぎり隣り合わせのショスタコーヴィチの屈折した繊細さを素晴らしい音色で表現してくれる。とうとう日本にもこのようなティンパニストが現れたのか、と感慨深い。このまま順調に成長したら私たちの理想だったライナー・クイスマを超える日も遠くあるまい。モーツァルトは合唱団にもゆとりが出てきた。独唱者たちは少々遠慮がちである。失敗を恐れずにいろいろ試してみればよいのに、とも思うが「うた」は心理的な動揺が直接演奏に現れるから不用意なことは言えない。しかし「安全運転」では聴き手に何も伝わらない。 |
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■ 2002.10.11 Fri. 3時から最後の練習。今回はヘンデル「水上の音楽」からショスタコーヴィチへ、ショスタコーヴィチからモーツァルトへと舞台上の楽器や椅子などの移動が大量複雑で裏方さんたちに苦労をかけているが、若いステージマネージャーが見事にコントロールしてくれている。先月に続いて今月も2日間の「定期」の入場券は完売だそうで大入袋を頂く。たくさんの方のご苦労のおかげである。合唱団にも独唱者たちにも感謝。演奏はショスタコーヴィチにたくさんの拍手を頂戴したのが意外であった。ほとんど全く知られていない作品でも率直に反応してくださることを改めて知って心強い。モーツァルト、特に合唱団の素晴らしさが印象に残る。「入魂の」などという言葉はあまり好きではないのだが、そう言いたくなるような印象。ラクリモーザなど特に鬼気迫った。オーケストラも美しく深い音で力強く全体をサポート。今回は私の判断で通常は演奏されるオスティアス以降のジュスマイヤー作曲の部分を省略したので、その代わりというわけではないがアンコールにアヴェ・ヴェルム・コルプスを演奏した。合唱が柔らかく美しい響きであった。今日のような演奏に接して物識り顔で「いろいろあったが全体としてはマアマアだった」などと言う輩が必ず居るものだが、そういう連中には音楽など聴かせたくない。私たちが過大な自信を持ってよいわけはないが、作品を尊重し、作者に敬意をはらい、自分たちの力の限りの努力を積み重ねて良い結果が生まれた場合は、それを素直に喜びたい。勿論「これで良かった」と1度でも思ったら、その時に演奏家としては終ったことになると私は考えているが,いわゆる「利いた風な口を利く」モノシリたちは邪魔なだけである。 |
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■ 2002.10.12 Sat. 16時30分から短時間の練習。演奏会の2日目というのは難しいものだが今回は昨日と違った色彩、充実度が現れていたと思う。モーツァルトの独唱者の皆さんもはっきりとそれぞれを主張されて輪郭が明確になった。モーツァルトがどういうわけかトロンボーンの2番奏者にソロを書いたトゥーバ・ミールム、今日も堂々と深い音で良かった。心から拍手。 今回も仙台フィルはしっかりと充実して清潔な演奏をしたと思うが、私の次回は1月のニューイヤー・コンサート、というのはやはりちょっと間が空きすぎだと思う。終演後、仙台駅の近くで合唱団の打ち上げパーティーに出席、そこでとんでもないことに出会う。合唱団が数人の方に「出演辞退」を迫った、つまり舞台から降ろした、という噂である。入団オーディション無し、演奏曲目ごとのテストも無し、合唱経験の有無も、楽譜をスラスラと読めるかどうかも問題ではない、ともかく熱心に練習に参加してくださりさえしたらご一緒に演奏しましょう、ということで出発した仙台フィルハーモニー合唱団の基本を変えたことは1度も無い。それでなくとも、このような傲慢無礼な非常識は即刻、改めなければならない。パーティーにご出席の皆さんにはとりあえず音楽監督としての不注意と監督不行き届きをお詫びした。早急に事実を調べて理不尽な被害にあわれた方たちに先ず丁重な謝罪をする必要がある。 |
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■ 2002.10.13 Sun. お昼過ぎ、東京へ帰りつく。夕方から、長い間気にかかっていた「ちんちん千鳥」のホルンとピアノのための編曲。 |
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■ 2002.10.14 Mon. 今年はもう行かないでおこう、と思っていた八ヶ岳へ思いきって出かける。紅葉が素晴らしい。落葉松はまだ緑だが楓やサラサドウダンなどの美しさは何ともいえない。空もまっ青で空気も美味しい。物音のしない雑木林を歩くのは何という贅沢だろう。夜は星がこんなにたくさんあったのか、とまた驚く。 |
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■ 2002.10.15 Tue. 富士見岩という横岳登山道の入り口からちょっと脇に入ったところの高台まで行く。天気は良いが遠くはかすんでいて今日は富士山は見えない。この次までにデジタルカメラを使いこなしてダイアリーにつけたいと家内は意気込んでいる。きれいな空気を吸って体の中まできれいになったような気がする。こうして雑音の少ないところに居ると、マーラーやバルトークが極端に雑音を避けて作曲したことを思い出す。その内に静かな山の中に小さな作曲小屋を建てたいと話し合うが、宝くじを当てなければ、ということになって苦笑。 |
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■ 2002.10.16 Wed. 昨日の夕方から突然、ものすごい土砂降りの雨と突風、そして雷まで加わって、それが明け方まで続いたが朝はすっかり好い天気である。八ヶ岳の所々にうっすら雪がつもっている。まだ根雪にはならないだろうが、素晴らしい紅葉と雪とを見られたのは幸運である。今日は遊歩道から杣添川のほうへ下りて少々沢登りの真似事をしてみた。帰りは原生林をかきわけて道まで出る小冒険をして2人とも満足。今夜も星が素晴らしい。 |
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■ 2002.10.17 Thu. お昼過ぎに東京へ戻る。10日分以上溜まっていた郵便物を配達してもらったので、それと格闘。 |
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■ 2002.10.18 Fri. 朝の新幹線で名古屋へ、県芸のオーケストラ部会。1時からはオーケストラの練習。本来は「授業」というべきなのだろうが私の実感は練習である。つまり学生諸君に何かを教えているというより、若い音楽家たちと練習をしているのである。35周年の音楽会があったので暫く定期演奏会の曲目から遠ざかっていたが、先週、関谷弘志さんの練習があったせいか仲々まとまっていて一安心。6時過ぎの新幹線で帰京。 |
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■ 2002.10.19 Sat. 13時50分から池袋・東京芸術劇場で「みんなあつまれ! 子どもとオーケストラ実験工房コンサート」」の練習、オーケストラは東京都交響楽団の人たちがたくさん、昨夜、山口で演奏会だった日本フィルからも何人も来てくれたし、東京フィルハーモニー交響楽団や神奈川フィルなどいろいろなところから参加してくださっている。ありがたいことである。「金と銀」も「木星」も子どもたちは大人に隣に座ってもらって、のびのびと楽しそう。合唱も元気いっぱい。練習の間、司会の頼近さんが舞台上のあちらこちらで、どんな小さなことも見逃すまいと面白そうに歩き回っておられるのがほほえましい。このように音楽を本当に好きな方に司会していただけると幸せである。夕方から雨が降ってくるあいにくのお天気だが、たくさんの客様が来て下さる。子どもたちの熱演に特に盛大な拍手を頂く。曲目の最後、普段演奏している「くるみ割り人形」組曲の最後に児童合唱付の「雪片のワルツ」という雪の精の王と王女の踊りの部分を演奏する。滅多に演奏しないものだからオーケストラも私も緊張気味、子どもたちは明るい響きでよかった。終演後小さなパーティー、頼近さんも交えて楽しく語り合った。来年以降もこの催しが続いていくといいな、と思う。今日は一つ失敗があった。頼近さんの素敵なドレスが色鮮やかであまりに美しかったので「玉虫みたい」と申し上げたらエッと言われてしまった。ご婦人方を賛美することに慣れていない日本人男性の1人であることを痛感。 |
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