■ 2002.7.1 Mon.
 いつまでたっても韓国語は前日から独特の圧迫感である。どうやら語学の才能が私には無い。家内はタイヘンだと言いながら結構楽しんでいる様子。

■ 2002.7.4 Thu.
 午後、名古屋へ。

■ 2002.7.5 Fri.
 10時半から県芸「指揮法」。今学期の最後だが、みんな自分の考えていることをはっきり表現している。素晴らしいことだ。指揮は見た目とは関係無いと改めて思う。13時から秋のベートーヴェン「三重協奏曲」の独奏(ヴァイオリンとチェロ)、試演会で演奏してもらう人を選ぶオーディション。よく勉強してある人ばかりだが、それが自分のものになっているかどうかも、はっきり現れるのが恐ろしい。チェロが素晴らしかった。15時からオーケストラ、この演奏会で初演することにした学生の作品を初めて音にする。ずいぶん細かく丁寧に書き込んだスコアだが、作曲者の思ったとおりの響きだったのか、全く見当はずれだったのか、肝心の作曲者から感想は聞けなかった。
 19時からサングリエで恒例の「中国会」。みんな忙しいからなかなか集まれない。福田信郎さんは必ずいらしてくださるが、ずいぶん無理をしてくださっているに違いない。伊豫田祐司さんは昨日、海外ロケから帰ってきたというのに出席して面白い話をたくさん聞かせてくださる。ともかく、こうして1年に2回、昔からの仲間と「同窓会」をやるとほっとする。その時に都合のつく人だけが集まればいい、という緩やかな形で続いていくといい。

■ 2002.7.6 Sat.
 ずっとお世話になっている古沢先生(私たちは勝手にホームドクターだと思っている)ご夫妻と家内の両親、そして私たちの6人で夕食。聡明で明るく素敵な奥様のお話と、診察室では見えない古沢先生の一面も拝見して楽しい一晩であった。

■ 2002.7.8 Mon.
 本当に久しぶりに八ヶ岳へ。天気予報は雨だったのに、ゆったりとその辺を散歩できた。雑音、騒音が無いこと、緑がたくさんあること、その香り、そしてカッコウ・・…。嬉しい。

■ 2002.7.9 Fri.
 今日もゆったり、ゆっくりと散歩。せせらぎへ出かけて冷たい水に足を浸してみる。いつものように素晴らしい夕食の後、バーの炉辺で食後酒を一杯。

■ 2002.7.10 Wed.
 台風の影響で昨夜から激しい雨。天気が悪いはずと覚悟してきているから、まあ予定通りという感じ。いかにも休日らしくていいね、などと言いながら過ごす。

■ 2002.7.11 Thu.
 お昼過ぎ、小淵沢駅発の電車で東京へ戻る。

■ 2002.7.12 Fri.
 仙台へ。15時から「定期」の最後の練習を聴く。ピアノ独奏はマルクス・グロー。スウェーデンで共演したことのあるドイツの若い、素晴らしい音楽家。その時の印象が強烈でグリークの協奏曲を弾いてもらうことにしたのだが、期待通り、この超有名曲を全く新鮮に、しなやかに、豊かな表情で生まれ変わらせた。音楽会は19時開演、指揮は阪 哲朗さんであった。演奏会の後でマルクス・グローと食事。家内も私もいささかドイツ語を話すから、くつろいで話が弾んだ。

■ 2002.7.13 Sat.
 お昼過ぎの電車で東京へ戻る。18時から東京音大の高橋啓三さんの教室で「ミサ・ソレムニス」の4人の独唱者たちとピアノで練習。私たちが信頼しているピアニスト服部容子さんが付き合ってくださる。

■ 2002.7.14 Sun.
 9時過ぎの新幹線で大阪へ。13時から16時「ミサ・ソレムニス」の合唱練習。この暑さの中、合唱団にとって特に過酷なこの作品に取り組んでくれる人たちには敬服するしかない。その上、200人足らずなのに、もう入場券を自分たちで2000枚売ったのだという。頭が下がる。新幹線で帰京。

■ 2002.7.15 Mon.
 午後ベルリッツの予定だったが、熱っぽく風邪の様で気分が悪く、家内がひとりで行って来た。

■ 2002.7.16 Tue.
 今日は仙台の会議で日帰りの予定だったが、台風の接近もあって急に延期してもらう。

■ 2002.7.17 Wed.
 大阪へ。床屋へ行って、19時から「ミサ・ソレムニス」の最後の合唱練習。いささかも崩れていない歌いぶりに安心。しかし、この大曲だから2日連続でオーケストラと練習して、そのつぎの日に演奏会という日程を、猛暑の中で、どう乗り切ることが出来るか、不安が無いとはいえない。最終の「のぞみ」で帰京。

■ 2002.7.19 Fri.
 午後ベルリッツ。家内が「補習」をしてくれたのだが、1回抜けていることの大きさを痛感。またまたタイヘンである。

■ 2002.7.20 Sat.
 新幹線で大阪へ。17時30分から大阪フィルと練習。明日の「永遠の朝比奈 隆」というメモリアルコンサートで岩城宏之、先生のご子息千足氏、それに私の3人の指揮者が出演するのである。私の担当は伊藤 恵さんの独奏で「皇帝」の第1楽章、先生がお好きだったという(私は1度も聞いた事も無い)リヤードフの「エレジー」、それに非常に珍しい朝比奈先生「編曲」のグラナドス「ゴエスカス」間奏曲。これは何年か前に楽譜の細部を少々整理して指揮したことがあるが、先生の豊かな知識、経験が全部凝縮されて素晴らしい響きがするものである。

■ 2002.7.21 Sun.
 11時半から神戸国際会館で練習。震災後、全く新しくなったこの会館へ足を踏み入れたのは初めて。岩城夫妻ももう到着していて楽屋は雑談ばかり。何しろ指揮者が3人も同じ部屋に居るのだから話は尽きない。15時30分開演の音楽会はたくさんのお客様で盛況。先生もお喜びであろう。

■ 2002.7.22 Mon.
 いよいよ「ミサ・ソレムニス」。15時30分からいきなり独唱者も参加して大阪フィルの練習。今回私が今までこのオーケストラが使用していた楽譜と違う版の楽譜を持ち込んだので、少々戸惑いもあるようだが、見事な集中力で練習が進んでいく。19時からは合唱団も参加して全曲をもう一度通す。

■ 2002.7.23 Tue.
 18時50分から昨日と同じ大阪フィルハーモニー会館で「ミサ・ソレムニス」練習。この暑さと全員のスタミナを考えて一度全曲を通すだけにしたが、それにしても、とんでもなく重い作品である。

■ 2002.7.24 Wed.
 15時30分からフェスティヴァル・ホールで最後の練習。菅 英三子、竹田弥加、仙台から初めて参加してもらった佐藤淳一、高橋啓三という4人の独唱者のアンサンブルは最近にはなかった緻密なものになった。合唱も1人1人の思いはともかく、しっかりと自信に満ちている。これは亀井正比古さんを始め日常の指導者たちと合唱団の深い信頼関係から生まれるものであろう。19時開演。演奏の当事者として結果の評価は出来ないが、少なくとも悔いの残るものではなかったし、現在のこの私たちのチームとしては出来る限りのことをしたと思う。疲れたが、このような感じを「快い疲れ」というのだろう。

■ 2002.7.25 Thu
 10時の飛行機で仙台へ。13時から仙台フィルの練習。27日のオーケストラ・アンサンブル金沢との初めてのジョイントコンサートの練習。ギュンター・ピヒラーさんに指揮してもらうブラームス「ハイドンの主題による変奏曲」の譜読みをしてから、両団合同で独奏者に中村紘子さんを迎えて演奏するラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番を仙台フィルだけで練習。オーケストラ・アンサンブル金沢とピヒラーさんは今日は青森で演奏しているはずである。

■ 2002.7.26 Fri.
 13時から県民会館で合同の練習。懐かしい金沢の事務局や裏方の人たちと会う。ギュンター・ピヒラーさんはアルバン・ベルク弦楽四重奏団のリーダーであり第1ヴァイオリン奏者であるが、この頃は指揮活動も積極的で、オーケストラ・アンサンブル金沢の首席客演指揮者である。的確な指示を出しながら丁寧に練習してもらってブラームスがみるみる変わっていくのは、同業者としても「ああ、そうか」と感心することの連続。練習の後半はいよいよ合同のオーケストラと中村紘子さんでラフマニノフ。ピアノ独奏もオーケストラも弾きづめの難曲だが、全曲を2回演奏してみんな汗まみれになったころには、少し形が見えてきた。練習後、仙台フィル主催の歓迎パーティー。中村さんもピヒラーさんも出席してくださる。ピヒラーさんが明るく気さくな人でヴィーンのこと、音楽家仲間のことなど話が弾む。

■ 2002.7.27 Sat.
 11時から最後の練習、15時開演で演奏会。ピヒラーさん指揮、オーケストラ・アンサンブル金沢のハイドン「時計」は“お見事”と言うしかない。ブラームスもピヒラーさんのおかげで優雅な仕上がり。ラフマニノフは中村さんの大迫力にオーケストラも負けじと熱演で盛大な拍手をいただく。アンコールはベルリオーズ「ラコッツイ行進曲」をピヒラーさんが指揮、きらびやかな響きにピヒラーさんが一番嬉しそうだったのが印象的。初めて迎えた指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢との初めての合同演奏がともかく無事に終ってホッとする。

■ 2002.7.28 Sun.
 15時30分から仙台フィル、ティンパニ奏者の入団オーディション。11名の応募者であったが、その中で飛びぬけて良い印象を残した人を1人残した。音質、音色に対する感性もリズム感も素晴らしい。19時からモーツァルト「レクイエム」の合唱練習。

■ 2002.7.29 Mon.
 新幹線で東京へ戻る。

■ 2002.7.30 Tue
 朝、作曲家夏田鐘甲さんから電話、ソウルで入院中の林 元植さんの容態が良くないとのこと、家内と、ともかく3日にお見舞いに行くことにする。
 ベルリッツ、ますますワケが判らなくなって私は混乱しているが、少々疲れているからか、と自分に言い訳しているのが情け無い。

■ 2002.7.31 Wed.
 午後の新幹線で仙台へ。18時から明日の「グローバルピース・コンサート 仙台」の練習。仙台フィル、山形交響楽団にフリーの音楽家たちも加わった混成の小オーケストラ。リズム・セクションの加わったサクソフォーン独奏で2曲、ジャック・イベール「交響組曲」(俗称「パリ」)を練習。すんなりと進行。